こんにちは。
主に学部三年生以下の人へ、あるいは研究生にとってなるほどと思ってもらえるような研究室忘備録(卒論編)を書きたいと思います。
学部4年生時代の卒論、いわゆる卒業論文制作にあたって感じたことを忘備録のように書いておこうと思います。ちなみに感想としては、「結構精神的に辛い」です。
なぜ辛いのか、また辛いときにはどのようにその状況を対処していたのかを以下に記します。
卒論研究がつらい理由
成果がでない
なんといってもこれですね。そもそも良い結果が出たらそれをまとめて発表して卒業ですから。
研究は基本的に「誰も取り組んだことのない」、すなわち「結果が不明である問題に対して」、「良いか悪いかわからないけど得られた実験結果を考察する」という各プロセスが答えの定まっていない不明だらけの(ストレスフルな)好奇心をくすぐられるものです。
したがって基本的には研究はうまくいかないのが当たり前で、失敗した結果をどのように次の一手に活かしていくかを無限に繰り返すことになります。
研究成果について発表しないと卒業できないから実験する→うまくいかない&意味のわからない結果が出る→改善策や新しい手法を考える→またうまくいかない→繰り返し
となるとつらいですよね。
ちなみにうまくいった場合にも他の条件を変えたら結果はどのように変わるとか追加の検討材料が無限にあります。つまり終わりがほとんど無いです。
長期戦である
意外と効くのが研究は長期戦であることです。3年生までの講義の何倍、何十倍もの時間労力をかけることになるのはかなり大きいです。
講義と卒論の特徴を簡単に書くと
3年生までの講義:半年間週に1か2回講義を受けテストを受けて終わり
卒論研究:一年間自由に研究をして最後に発表と卒論提出
となります。
これだけですと半年と一年の違いならそんなに大きくないと思いますが、卒論研究は大体週に3日以上は取り組み、先述のように基本的に失敗の繰り返しで、テストと異なり間違った答えは許されない(データとして使えない)ので負担が大きいです。
つまり、卒業に必須の単位なのに失敗が続くため、長い期間悩み抜くことになるということです。私は研究室配属後一ヶ月ぐらいは卒業できるのか不安でした。
卒論は結構大変だということは以上の理由が大きいです。
一応私の研究室生活でこれらの問題について心がけていることを記しておきます。
解決策(思考法)
卒業できなかった学部生はほとんどいない
これが一番です。あなたの研究室には先輩がいますよね。そしてその人達は卒論研究を終えていますよね。そして世間のほとんどの大学生はそれを終えています。
そう考えるとまあ最後はなんとかなるだろうと思いませんか。
長時間悩まない
研究はうまくいかないのが基本、と書きました。そして重要なのはうまくいかなかったときにどれだけ早く次の一手に移行できるかが重要だと私は思います。
長くても1日以上悩んでも意見や発想がまとまらない場合は先輩や指導教員に相談しましょう。こちらは所詮研究生1年目ですから。自分なりの意見を持った上で相談すれば(まともな人なら)応じてくれるでしょう。
悩む時間は研究の成果の面で見ると何も進んでいない時間です。せめて潰すことのできる雑用などをこなしたりしつつ考えるようにしましょう。あと長時間悩むと気が滅入りそうですし。
指導教員(研究室の教授)と日常的にコミュニケーションを取る
ご存知の方は多いと思いますが実は卒論研究は失敗しても通ります。では、本当は何が必要なのか、それは自分の研究室の指導教員の認可です。つまり、どんなに実験結果がひどくても、卒論や発表の内容がひどくても指導教員が認めれば卒業はできます。
これは極端な話ですが、もう少し現実的な形で言うと、教授の描く卒業までの自分の研究のゴールにすり合わせることが重要ということです。教授の手足となり考え無しに従うという意味ではありません。自分の実験結果や考察を話せばそれが有意義かどうか、次の一手には何をすればいいのかを教授は一緒に考えてくれます。これを繰り返すことで自分と教授の卒論像が一致して卒業までスムーズに進むということです。
もう一歩加えるなら、なるべく早く卒論研究のゴールを見つけることです。(もちろん教授の納得するような)ただし、何も考えずに尋ねるのではなくちゃんと議論の中で聞くようにしましょう。良い報告の書き方についてはもう少し私の中でもスキルが確立したら記事にしたいと思います。
研究室にいるときにしか研究のことは考えない
研究は長期戦だと書きましたが、これは常に解決しない問題を抱えているのと一緒です。私は仕事が溜まっている状態で遊ぶのが嫌いなのでレポートなどは最速で仕上げていたのですが研究の場合はそのようにはいかないため研究室配属直後はストレスが溜まりがちでした。
そこで思い切って家では一切研究のことを考えないようにしました。
理由としては
・どうせ研究室に行って作業等をしなければ問題は解決しない(理論系の場合はわかりませんが)
・長時間だらだらと悩んでも質の高い答えや成果は出ない
・短時間で研究に集中した方が充実感も成果も出る&遊びも楽しむことができる
と考えたためです。
割り切りが大切だと思います。(実験拘束時間がひたすら長い人には適用できないかもしれませんね...)
さいごに
これらは私個人の考えです。何かご意見などございましたらコメントなどをいただけるとありがたいです。